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コラム
2026.08.12
様々な発電方法~環境と産業を考える~

私たちの生活や産業に欠かせない電気は、様々な方法によってつくられています。それぞれの発電方法には、安定性や発電コスト、環境への影響、必要となる設備などに異なる特徴があります。近年では、地球温暖化への対応やエネルギーの安定供給を背景に、再生可能エネルギーの導入拡大や新たな発電技術の開発も進んでいます。今回は、現在利用されている主な発電方法の仕組みや特徴を紹介しながら、環境と産業の両面から電気のつくり方について考えていきます。
火力発電
火力発電は、石炭、石油、天然ガスなどの燃料を燃やし、その熱エネルギーを利用して発電する方法です。
一般的な火力発電では、燃料を燃やして水を加熱し、発生した高温・高圧の蒸気によってタービンを回転させます。タービンには発電機が接続されており、その回転運動を電気エネルギーへ変換することで電気をつくっています。
また、天然ガスを利用する発電所では、ガスタービンによる発電と、その排熱を利用した蒸気タービンによる発電を組み合わせる「コンバインドサイクル発電」も利用されています。燃料が持つエネルギーを効率よく活用できることが特徴です。
火力発電は、必要な電力量に応じて発電量を調整しやすく、天候にも左右されにくいため、安定した電力供給を支える重要な発電方法の一つです。
一方で、化石燃料を燃やす際に二酸化炭素(CO₂)が発生するため、地球温暖化への影響が課題となっています。そのため、発電効率の向上や燃料の転換、排出されたCO₂を回収・貯留する技術など、環境への負荷を減らすための取り組みも進められています。
原子力発電
原子力発電は、ウランなどの核燃料が核分裂するときに発生する熱を利用して発電する方法です。
発電の基本的な仕組みは火力発電と似ています。核分裂によって生まれた熱を利用して水を加熱し、発生した蒸気でタービンを回転させ、発電機によって電気をつくります。
原子力発電の特徴の一つは、少量の燃料から大量のエネルギーを得られることです。また、発電時にCO₂をほとんど排出せず、天候にも左右されにくいため、大規模な電力を安定して供給できます。
一方で、放射性物質を取り扱うため、発電所には非常に高い安全性が求められます。事故への備えだけでなく、使用済燃料や放射性廃棄物の処理・処分、発電所の廃炉など、長期的に取り組んでいく必要のある課題もあります。
原子力発電については、安定した電力供給や脱炭素化への貢献だけでなく、安全性や廃棄物処理なども含めて考えていくことが重要です。
太陽光発電
太陽光発電は、太陽から届く光エネルギーを太陽電池によって直接電気へ変換する方法です。
太陽電池に光が当たると、半導体の内部で電子が移動し、電流が発生します。この現象を利用して発電するため、火力発電や原子力発電のようにタービンを回転させる必要がありません。
発電時に燃料を必要とせず、CO₂もほとんど排出しないため、代表的な再生可能エネルギーの一つとなっています。住宅の屋根に設置する小規模なものから、大規模な太陽光発電所まで、様々な場所で利用されています。
一方で、夜間には発電できず、曇りや雨の日には発電量が少なくなるなど、天候によって発電量が変化します。そのため、蓄電池や他の発電方法と組み合わせながら、電力の需要と供給のバランスを取ることが重要です。
また近年では、薄くて軽く、曲げることもできる「ペロブスカイト太陽電池」の開発も進められています。従来の太陽光パネルでは設置が難しかった建物の壁面や、重量の制約がある屋根などへの活用が期待されています。
水力・風力発電
水力発電
水力発電は、高い場所から低い場所へ流れる水の力を利用して水車を回し、その回転によって発電機から電気をつくる方法です。
ダムに貯めた水を利用する方法だけでなく、河川の流れを利用する方法や、比較的小規模な「中小水力発電」などもあります。
発電時に燃料を必要とせず、CO₂の排出も少ないことが特徴です。また、水量を調整できる設備では、必要に応じて発電量を変えることもできるため、再生可能エネルギーの中では比較的安定した発電が可能です。
一方で、大規模なダムを建設するためには適した地形が必要です。また、周辺の自然環境や生態系への影響についても考える必要があります。
風力発電
風力発電は、風の力によって大きな羽根を回転させ、その回転を利用して発電機から電気をつくる方法です。
陸上に風車を設置する「陸上風力発電」のほか、海上に設置する「洋上風力発電」もあります。海上では陸上よりも強く安定した風が吹く場所が多く、大型の風力発電設備を設置できることから、今後の普及が期待されています。
風力発電も発電時に燃料を必要としませんが、風の強さによって発電量が変化します。また、大型の風車を設置する場所の確保や、騒音、景観、自然環境への影響、発電した電気を送るための送電設備なども考える必要があります。
その他先進的な発電
これまで紹介した発電方法以外にも、将来のエネルギー供給に向けて、様々な技術の研究や開発が進められています。
地熱発電
地熱発電は、地下深くにあるマグマなどの熱によって生じた蒸気や熱水を利用し、タービンを回して発電する方法です。
天候や昼夜の影響を受けにくく、安定して発電できる再生可能エネルギーの一つです。一方で、発電に適した場所が限られていることや、地下の状態を調査して開発するまでに時間がかかることなどが課題となっています。
バイオマス発電
バイオマス発電は、木材や農業で発生する廃棄物、食品廃棄物など、生物由来の資源を燃料として利用する発電方法です。
これまで捨てられていた資源をエネルギーとして活用できるというメリットがあります。一方で、燃料を安定して確保することや、燃料を運ぶためのエネルギー、森林資源を持続的に利用できるかどうかなども考える必要があります。
水素・アンモニアの活用
水素やアンモニアを発電用の燃料として利用する技術も研究されています。
水素やアンモニアは、利用するときにCO₂を直接排出しない、または排出量を抑えられることから、将来のエネルギーとして注目されています。
ただし、水素やアンモニアそのものをつくるためにもエネルギーが必要です。そのため、利用するときだけでなく、「どのようなエネルギーを使って製造したのか」という部分まで含めて、環境への影響を考えることが重要です。
次世代型太陽電池
太陽光発電の分野では、ペロブスカイト太陽電池をはじめとした次世代型の太陽電池の開発が進められています。
ペロブスカイト太陽電池は、薄くて軽く、柔軟な形状にも対応できることが特徴です。これまで太陽光パネルの設置が難しかった建物の壁面や屋根などにも利用できる可能性があります。
今後、耐久性や発電効率、量産技術などが向上すれば、太陽光発電を利用できる場所がさらに広がっていくことが期待されています。
まとめ
電気をつくる方法には様々な種類があり、それぞれに得意なことと課題があります。
火力発電は発電量を調整しやすく、安定した電力供給に向いていますが、CO₂の排出が課題です。原子力発電は大量の電力を安定して供給でき、発電時のCO₂排出も少ない一方で、安全性や放射性廃棄物への対応が必要です。
太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーは、化石燃料への依存やCO₂の排出を減らすために重要ですが、天候による発電量の変化や設置できる場所など、それぞれ異なる課題を持っています。
そのため、どれか一つの発電方法だけに頼るのではなく、それぞれの特徴を生かしながら、複数の発電方法を組み合わせていくことが大切です。
また、電気は発電所でつくって終わりではありません。発電設備の建設や維持管理、燃料の調達、送電線や変電所、蓄電池など、多くの設備や産業によって私たちのもとへ届けられています。
これからの発電には、環境への負荷を減らすことに加えて、安定して電気を届けることや、経済性、エネルギー資源の確保など、様々な視点が求められます。それぞれの発電方法の特徴を知ることは、これからのエネルギーについて考える第一歩となります。
著者情報 AUTHOR
大学を中退し19歳から社会人に。IT商材、不動産営業の経験を経て電気設備業界へ。元々電気設備業界である父親の縁があり、プランテクノに入社。積算業務の経験を積み、積算1課長に。現在は横浜市に拠点を置き、新規客先への営業も担当。
好きなことは「効率化」、好きな電設資材は「小さなプルボックス」。
取得資格
- 第一種電気工事士 R4年12月取得
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