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コラム

2026.02.12

設備設計に必要なデザイン思考

建築設備設計というと「法規」「計算」「納まり」そして「積算」といった型にはまった理詰めの仕事という印象を持たれがちです。しかし実務の現場では、それだけで解決できない問題が数多く存在します。それらを解決するため設備設計者に求められているのがデザイン思考です。

本記事では、設備設計におけるデザイン思考とは何か、そしてそれを実務にどう活かすかをまとめてみました。

 

デザイン思考とは

デザイン思考とは、単に「カッコいい」「きれい」をデザインする思考のことではありません。
実際に使う人たちの視点に立ち、要望や課題に対して最適な解決策を形にする考え方です。

一般的にデザイン思考は以下のように表されます。

共感する(顧客を深く理解する)
↓
課題を定義する
↓
アイデアを出す
↓
試す
↓
検証、改善する

この流れは、実際の設備設計において必要な思考で、無意識のうちに行っている事ですが、意識することで仕事の質が一段階上がるのではないかと考えます。

 

設備設計は課題解決型デザイン

設備設計者は常日頃、以下のような課題に向き合っています。

・この建物は誰が、どのように使うのか
・将来の変化にどのように対応するか
・施工性、メンテナンス性は問題ないか
・性能とコストのバランスは適切か など

ただ、これらの課題に対し正解は一つではありません。

つまり設備設計は、デザイン思考によって様々な角度から提案を求められる仕事だと言えます。

 

設備設計におけるデザイン思考の具体例

・使う人への共感(施主・利用者視点を持つ)

設計図上は成立していても、実際には「使いにくい」「点検、メンテナンスが大変」「光や音、風が不快」などといったことが少なくありません。
デザイン思考では、「誰がこの設備を使うか」「どんな不満を感じるか」を想像し、施主、利用者に対する理解を深めます。

・課題を定義する(本当の課題は何か)

例えば「コストを下げたい」という要望があった場合、

・イニシャルコストだけの問題か
・ランニングコスト、更新費用は考慮されているか
・そもそも過剰な仕様になっていないか など

といった視点で課題を捉え、再定義します。

表面的な要望、課題をそのまま受け取るのではなく、本質的な課題を再定義する力がデザイン思考です。

 

・アイデアを出す

設備設計は、過去の事例を参考に設計することが多いですが、それが最適な設計であるとは限りません。

・新しい技術の導入、組合せ
・レイアウト、収まりの工夫
・他物件の事例を転用 など

少し視点を変えるだけで選択肢は広がります。
デザイン思考は、「正解を探す」とともに、「選択肢を増やす思考」とも言えます。

 

・試す(設計、積算、施工をつなぐ想像力)

設備設計は図面を描いて終わりではありません。
積算、施工、維持管理まで含めて「成立しているか」が重要です。

・積算しやすいか
・現場で誤解されやすくないか
・施工性に問題はないか
・更新時に問題はないか

こうした後の工程にも配慮し、全体を想像力でつなぐのもデザイン思考です。

 

デザイン思考を持つことの価値

デザイン思考を会得すると

・施主から相談される設計者になる
・設計変更に対する対応力、説明力が高い
・コスト、性能、使い勝手のバランスを取ることができる

など、設備設計者として確実にレベルが上がり、プロジェクト全体をまとめられる技術者として評価が高まります。

 

まとめ

設備設計は、基準や計算だけでは完結しない仕事です。
であるからこそ、デザイン思考を取り入れることで、設計の説明力が上がり、トラブルが減り、信頼される設計につながります。

「なぜこの仕様なのか」をしっかりと説明できる設計。
それこそが、これからの設備設計者に求められるものではないでしょうか。

 

 

著者情報 AUTHOR


 
大学中退、就職した施工管理会社の倒産、仲間との起業、そして過重労働からの脱出など、あらゆる難局を越えてついにたどり着いた自分たちの理想の会社。経営者として分からない事ばかりだが、日々試行錯誤し、より良い会社にすべく奮闘中。
電気施工管理8年・設備設計事務所9年を経て、現在に至る。

 取得資格

- 第三種電気主任技術者   H11年12月取得
- 第一種電気工事士     H12年1月取得

- 2級管工事施工管理技士    H13年2月取得
- 建築設備士        H22年6月取得

- エネルギー管理士     H23年11月取得

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