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コラム
2026.02.27
電気の危険性~なぜ感電するのか~
私たちの生活は電気によって支えられています。照明、家電、スマートフォン、インフラ設備まで、電気なしでは現代社会は成り立ちません。しかし便利である一方、電気は扱いを誤ると重大な事故につながる危険なエネルギーでもあります。特に「感電」は身近でありながら、その仕組みや危険性が十分に理解されていないことが多い現象です。本記事では、感電とは何か、どのような場面で起きるのか、そして日常生活でできる対策について、わかりやすく解説します。
感電とは
感電とは、人体に電流が流れることによって生じる現象の総称です。電気は本来、導体(銅など)を通って流れる性質があります。人体は水分や電解質を含むため電気を通しやすく、電位差(電圧差)のある2点に同時に触れると電流が流れます。これが感電の基本原理です。
人体に流れる電流の大きさは主に次の要素で決まります。
- 接触している電圧の大きさ
- 皮膚や体内の電気抵抗
- 電流の流れる経路
- 接触時間
例えば乾いた皮膚は比較的抵抗が高いですが、濡れていると抵抗が大きく下がり、同じ電圧でも流れる電流は増えます。また電流が心臓を通る経路になると、心室細動を起こして致命的になる危険が高まります。
一般に人体への影響は電流値で区分されます。
1mA程度:かすかな刺激
10mA程度:強い痛み、筋肉の収縮
30mA以上:離脱困難(自力で離れられない)
50~100mA以上:心室細動の危険
数百mA以上:重度熱傷や心停止
つまり感電の危険性は「電圧の高さ」だけでなく「人体を流れる電流量」によって決まるのです。
感電する具体例
コンセントや配線への接触
最も身近な感電例は、コンセントや露出した配線に触れるケースです。家庭用電源は100V(日本)ですが、条件次第では十分に危険です。
特に以下の状況では電流が流れやすくなります。
- 濡れた手でプラグを抜き差し
- 破損した電源コードに触れる
- 延長コードの被覆が剥がれている
- コンセント内部に金属を差し込む
子どもの事故では、ヘアピンやクリップを差し込むケースが多く報告されています。家庭用電圧でも、低抵抗状態(濡れた手・皮膚損傷など)では危険な電流が流れる可能性があります。
家電製品の漏電
家電製品は絶縁によって安全に使用できますが、内部の絶縁劣化や破損によって電気が外装に漏れることがあります。これを漏電と呼びます。漏電した機器に触れた人が大地や接地された物体に触れていると、人体が電流の通路になり感電します。
典型例としては次のようなものがあります。
- 洗濯機・冷蔵庫の金属外装に触れたときビリッとする
- 電気温水器やポンプ設備の筐体に触れる
- 屋外照明器具の故障
特に水回りは人体抵抗が下がるため危険性が高くなります。このため漏電遮断器やアース接続が重要になります。
高所作業や屋外設備での接近
電線や高圧設備に近づきすぎて起きる感電もあります。これは接触しなくても、空気絶縁を超える電界が発生すると放電(アーク)が起きるためです。いわゆる「近接感電」です。
例としては
- クレーンが架空電線に接近
- アンテナ設置作業で電線に接近
- 足場や長尺物の取り扱い
- 高圧機器の点検作業
高電圧ほど安全距離は大きく必要になります。電気工事の現場で厳格な離隔距離が定められているのはこのためです。
日常に潜む危険と感電の対策
感電は特別な場所だけで起きるものではなく、日常生活にも潜んでいます。主な危険と対策を整理します。
① 水と電気を近づけない
浴室・キッチン・屋外では人体抵抗が低下します。
濡れた手でスイッチ操作しない
防水仕様でない機器を水回りで使わない
屋外コンセントは防雨型を使用
② 機器やコードの劣化を放置しない
被覆破損や絶縁劣化は漏電の原因です。
ひび割れたコードは交換
テープ補修は応急処置に留める
異常発熱や焦げ臭は使用中止
③ アースと漏電遮断器を活用
漏電時の感電電流を減らし、遮断します。
洗濯機・電子レンジ・温水器は接地
分電盤の漏電ブレーカを確認
定期的にテストボタンで動作確認
漏電ブレーカーを含めた自宅のブレーカーのことについて下記のページの資料でも確認できます。
中部電力電気保安協会(https://www.cdh.or.jp/info/catalog/pdf/chisiki3-10.pdf)
④ 子どもの誤接触防止
コンセントキャップを使用
露出配線を作らない
電気の危険性を教育
⑤ 屋外・作業時の注意
電線付近で長尺物を扱わない
クレーン作業は離隔距離確保
感電防止手袋・絶縁工具を使用
⑥ 異常を感じたら触らない
ビリッと感じた時点で危険です。
すぐ使用停止
電源遮断
専門業者点検
感電事故の多くは「少しくらい大丈夫」という油断から起きます。電気は目に見えないため、危険の認識が遅れがちです。
まとめ
電気は生活に不可欠なエネルギーですが、人体に流れると深刻な障害を引き起こします。感電は電圧そのものよりも、人体を流れる電流量と経路によって危険性が決まります。濡れた環境、漏電した機器、電線への接近など、日常や作業現場にはさまざまなリスクが存在します。
しかし多くの事故は、適切な知識と対策で防ぐことができます。アース接続や漏電遮断器の設置、機器の点検、水回りでの注意、子どもの誤接触防止など、基本的な安全対策を徹底することが重要です。電気の危険性を正しく理解し、見えない電流を「あるもの」として意識することが、事故防止の第一歩です。
電気は正しく扱えば安全で便利なものです。危険性を知り、適切な距離と対策を保つことで、安全に電気と共存していきましょう。
著者情報 AUTHOR

大学を中退し19歳から社会人に。IT商材、不動産営業の経験を経て電気設備業界へ。元々電気設備業界である父親の縁があり、プランテクノに入社。積算業務の経験を積み、積算1課長に。現在は横浜市に拠点を置き、新規客先への営業も担当。
好きなことは「効率化」、好きな電設資材は「小さなプルボックス」。
取得資格
- 第一種電気工事士 R4年12月取得
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