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2026.01.15
電気設備工事における設備項目【ITV設備編】
建築物の安全性や管理効率を高める設備として、近年ますます重要性が高まっているのがITV設備です。防犯用途にとどまらず、施設運営やトラブル抑止、記録管理など幅広い目的で導入されるようになりました。一方で、設計・積算・施工の各段階において検討不足があると、映像品質の低下や施工後のトラブルにつながるケースも少なくありません。本記事では、電気設備工事におけるITV設備について、基礎知識から設計・積算のポイント、施工時の注意点までを整理して解説します。
ITV設備とは
ITV設備とは、Industrial Televisionの略称で、工業用監視カメラのことを指します。建物内外に設置したカメラで映像を取得し、モニターや録画装置で監視・記録を行うシステムです。現在ではアナログ方式からIP方式への移行が進み、ネットワークを介して映像を管理するケースが主流となっています。
ITV設備の主な構成要素としては、カメラ本体、レコーダー、モニター、操作端末、配線・配管、電源設備などが挙げられます。用途は防犯・防災だけでなく、工場での工程監視、商業施設での混雑状況確認、マンションの共用部管理など多岐にわたります。目的に応じて、画質・録画期間・設置台数・運用方法を適切に計画することが重要です。
設計のポイント
ITV設備の設計では、まず「何を目的として、どこを、どのレベルで監視するのか」を明確にすることが最も重要です。単にカメラを設置するだけではなく、死角の有無、照度条件、逆光や夜間撮影への対応などを踏まえた配置計画が求められます。
カメラ選定においては、画素数、画角、レンズ仕様、屋内外の区分、防水・防塵性能などを考慮します。また、IPカメラの場合はネットワーク設計も重要となり、PoE給電の可否、LAN配線経路、ネットワーク負荷への配慮が必要です。
さらに、録画装置の容量設計も設計段階での重要ポイントです。録画日数、解像度、フレームレートにより必要なストレージ容量は大きく変動します。施主の要望を正確に把握し、将来的な増設余地も含めた計画を行うことが望まれます。
積算のポイント
ITV設備の積算では、機器費だけでなく付帯工事費を漏れなく計上することが重要です。カメラやレコーダー本体は比較的把握しやすい一方で、配線・配管、支持金物、電源工事、調整費などが抜け落ちやすい項目です。
特にIP方式の場合、LANケーブルの配線ルートやハブの台数、ラック内機器構成によってコストが大きく変わります。また、屋外設置の場合は防水ボックスや耐候性部材、足場対応費なども考慮が必要です。
さらに、試運転調整や、マニュアル作成費などが別途必要となるケースもあります。これらの費用は一般的な積算基準や、普通作業員・電気工事士での人工想定ではなかなか正確に見積もりをすることができません。
そのため、メーカーに適切な条件で見積りを依頼することが重要となります。
積算段階で運用まで含めた範囲を明確にし、後工程での追加費用発生を防ぐことが重要です。
ITV設備の施工トラブル
ITV設備の施工では、設置位置のズレや画角不良によるトラブルが多く発生します。設計図通りに設置したつもりでも、実際には梁や照明器具が映り込んでしまい、必要な範囲を十分に撮影できないケースがあります。
また、配線施工においては、ノイズ混入や結線不良による映像乱れ、通信不安定といった問題も起こりがちです。特にIPカメラでは、ネットワーク設定ミスやIPアドレス重複によるトラブルが発生することがあります。
施工後のトラブルを防ぐためには、施工前の現地確認、仮設置による画角確認、試運転時の入念なチェックが不可欠です。関係者間での情報共有不足も原因となるため、設計・施工・施主の連携が重要となります。
まとめ
ITV設備は、電気設備工事の中でも計画・設計・施工の質が結果に直結する設備項目です。目的を明確にした設計、抜けのない積算、丁寧な施工と調整を行うことで、初めて効果的な監視システムとして機能します。
近年は高機能化・ネットワーク化が進み、設備としての難易度も高まっています。その分、電気設備技術者にはより広い知識と調整力が求められます。ITV設備を単なる付帯設備として扱うのではなく、建物価値を高める重要な設備として捉え、計画的に取り組むことが今後ますます重要になるでしょう。
少し内容は難しくなりますが、下記のリンクにて公共工事の標準仕様書を確認することがき、標準の機器の仕様などが分かります。
(監視カメラ設備は241頁から始まります)
公共工事の標準仕様書はこちら
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著者情報 AUTHOR

大学を中退し19歳から社会人に。IT商材、不動産営業の経験を経て電気設備業界へ。元々電気設備業界である父親の縁があり、プランテクノに入社。積算業務の経験を積み、積算1課長に。現在は横浜市に拠点を置き、新規客先への営業も担当。
好きなことは「効率化」、好きな電設資材は「小さなプルボックス」。
取得資格
- 第一種電気工事士 R4年12月取得
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