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コラム
2026.01.28
積算しやすい電気設備図とは~設計者が意識すべき点

電気設備設計において「積算しやすい図面」かどうかは、工事見積の精度、見積対応の早さ、施工段階でのトラブルに直結します。
設計者としては、機能性・法規対応・意匠、機械設備との整合などを優先しがちですが、積算者や施工業者が「迷わず数量を拾い出せるか」という視点を持つことで設計図の品質は一段階上がります。
本記事では、積算においてよくある課題を踏まえ、設計者が意識すべき具体的なポイントを5つご紹介します。
表記ルールを統一し図面を見やすく
当然ですが、ゴチャゴチャしていて見づらい図面は積算しにくい図面です。
その為、以下のような点に配慮することをお勧めします。
・線の濃淡で必要な情報を強調する。
・電気設備に関係のない建築情報、什器等は出来る限り削除する。
・文字のサイズ、幅係数、フォント種類を統一する。
・凡例の場所、書き方を統一する。
・文字が建築図や機器、配線などに重なる場合は引出線で避けて記載する。
・メーカーにて作図してもらった図面についても同様に見やすく調整する。
このように、ちょっとした気遣いで格段に図面が見やすくなり、積算の精度と効率はかなり向上します。
情報を必要以上に書かない
作図しているとつい色々なところに情報を記載したくなります。
私も昔、施工図を描いていましたので気持ちは良くわかります。
しかし、積算者にとっては記載が多ければ多いほど全ての情報をチェックすることとなり、負担が大きくなります。また、その記載されている内容がすべて整合が取れていれば良いのですが、少しでも不整合があった場合はその問題を解決するために多くの労力を費やすことになります。その為、図面に記載する情報は必要最低限であることが望ましいのです。
例えば、幹線設備では幹線リストで幹線番号と幹線サイズ、接地、配管サイズを記載し、系統図では幹線番号のみを記載、平面図には幹線ルート及びラック、ボックスのみ記載します。
※系統図や平面図に配管配線サイズを記載してしまうと幹線リストとの整合をチェックする必要が出てきてしまいます。
電灯コンセントや弱電設備も同様に、配線等の情報は凡例に全て記載し、平面図への引出線、注釈を極力少なくすることにより情報チェックの手間を軽減できます。
配管配線ルート・ボックス表記を明確にする
配管配線の表記はいつも盤までは矢印で省略されます。しかし、実際には吹抜け、シャフト、階段室、機械室などを避けて迂回する場合が多くあります。その為、その迂回するルートが判別できる程度には配線ルートを図示した方が親切です。また、露出配管は曲がり、中間点等にボックスを設けますので出来るだけ盤の近くまで図示し、ボックス等を明記しましょう。
ちなみに、プルボックスは図示はされていてもサイズが記載されていないことがよくあります。サイズが記載のない場合、結局は積算者がサイズを算出し拾い出しますので手間がかかります。設計段階で手を抜かずプルボックスサイズを明記するようにしましょう。
配管配線、ボックスは明示されていないことにより数量が変動しやすい部分になります。当然、積算者の技量にもよりますが、そのような変動リスクを避けるためにも明確な表記が必要です。
増減しやすい項目は責任範囲を明示する
積算していると「これは本工事、別途工事?」「他工事との取り合い方法は?」「支給品の範囲があいまい」など、悩ましいことがよくあります。そういった認識の差を生じさせないために注記で明確に記載する必要があります。また、工事区分表を作成することにより責任範囲を明確にするのもわかりやすい方法です。ただし、工事区分表と平面図で整合が取れないような記載にならないよう注意が必要です。
あったら良いなと思う個人的な要望
細かいことを挙げればきりがありませんが、個人的には特に以下のような内容を図示して欲しいと思っています。
・キュービクルの寸法と重量
・盤上部の入線方法(ダクト、ラック、大口径配管にまとめる等)
・EPS詳細(平面・断面)
・OAフロアから配線立上げ箇所と施工方法の明示
・防火区画、遮音区画、クリーンルーム範囲、指定色塗装範囲の明示
・主要な装柱材の記載(腕金、支線、根枷など)
・メッセンジャーワイヤーのサイズ記入
・土工事の土冠り深さと建屋に入る部分の詳細図
・土工事の車路部、車路部以外の明示とアスファルト撤去復旧範囲の明示
など、積算者が別途検討が必要な項目や、建築図や他の図面を確認しなければならない項目などを減らすことで業務負担がかなり減ります。
まとめ
積算しやすい図面を書くためのポイントを解説しましたが、正直なところ積算しやすくない図面でも世の中問題なく流通しています。そして現状、積算しにくい図面の方が圧倒的に多いというのが実感です。では今のまま積算しにくい図面でも問題ないと思われるかもしれませんが、それでは設計としての価値の向上は望めません。設計、積算共に品質をより高め価値を向上させることにより、業界全体の活性化と人材不足の解消へと繋げていくことが大切ではないでしょうか。
弊社はより精度の高い設計・積算を目指し、お客様のご要望にお応えできるよう努力を重ねてまいります。
是非、ご用命お待ちしております。▶お問い合わせはこちら
著者情報 AUTHOR
大学中退、就職した施工管理会社の倒産、仲間との起業、そして過重労働からの脱出など、あらゆる難局を越えてついにたどり着いた自分たちの理想の会社。経営者として分からない事ばかりだが、日々試行錯誤し、より良い会社にすべく奮闘中。
電気施工管理8年・設備設計事務所9年を経て、現在に至る。取得資格
- 第三種電気主任技術者 H11年12月取得
- 第一種電気工事士 H12年1月取得
- 2級管工事施工管理技士 H13年2月取得
- 建築設備士 H22年6月取得
- エネルギー管理士 H23年11月取得
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