お問い合わせ

Newsrelease

過去の記事

    • 01
    • 02
    • 03
    • 04
    • 05
    • 06
    • 07
    • 08
    • 09
    • 10
    • 11
    • 12

コラム

2025.10.15

BIMの普及により設備積算はどう変わるのか

建物の情報を3Dモデル化し、設計・積算・施工・維持管理で活用するBIM。今後どこまで普及するかは未知数です。しかし、その普及によっては積算自体の在り方も変わっていく可能性があります。

従来の積算とBIMによる積算、その相互の関係性が今後どうなっていくのか、現状と予測をあわせて紹介します。

 

BIM(ビム)とは

BIMは「Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)」の略称で、建築物の設計積算から施工、維持管理までの情報を3D化し、属性情報を付加したモデルにより一元管理する手法です。

3Dモデルにより、施工段階から完成形までを、イメージしやすい形で可視化するため、関係者間の意思疎通やそれぞれの作業を効率化することが可能です。また、BIMモデル上で各種シミュレーヨンを行い、設計に反映することも可能です。

積算においては、BIMモデル上に部材情報が登録されるため、瞬時に部材数量を把握することにより、コストマネジメントが容易になります。

さらに、機器や資材の仕様や更新時期などを登録することにより、維持管理段階でのメンテナンス計画が立てやすくなります。

 

BIMにより積算業務はどうなる?

BIMには部材情報が登録されるため、正しい部材数量がいつでも取り出せます。また、どの部分がどのような部材を使っているかも瞬時に確認できます。設計変更があった場合には、BIMモデルを修正すれば数量も自動で修正されます。

このように、積算業務全体の精度の向上と効率化が期待できます。

 

拾い出しはBIMに取り込まれる?

BIMにより積算業務の精度向上と効率化が実現できるとした場合、拾い出しはBIMに取り込まれるのでしょうか?もしそうなる場合には、BIMモデルにすべての施工方法や資材情報を、入力しなければなりません。しかし、設備積算方法としてそれはちょっと現実的ではありません。そうだとすると、BIMと積算業務の関係性は今後どうなるのでしょうか?

 

BIMの不足を補う「BIM+積算」という考え方

BIMで、すべての施工方法や資材情報を入力するのは現実的ではない。それを解決する方法として、BIMモデルを積算ソフトに取り込み、そのソフト上で部材を追加する「BIM+積算」という考え方があります。

BIMで盛り込みづらい部材や、予備の部材数量を見込みたい場合など、積算ソフト上で追加が出来るため、見積の自由度が上がります。また、積算ソフト上でBIMに登録されている部材情報を確認し、その場で修正または、BIMモデルに戻って修正することにより、積算全体の精度が向上します。

 

今後の流れと課題

BIMは、全ての情報を一元管理することにより、精度の向上と効率化を目指します。

しかし、完璧なBIMモデルを作ることに熱心になるあまり、逆に効率が悪くなってしまう危険性があります。BIMと積算ソフト、それぞれの強みを活かす「BIM+積算」が、設備積算として今後の鍵になっていくのではないでしょうか。ただし、課題もあります。まず、「BIM+積算」のソフトがまだ少なく、費用が高い。そして、BIM自体の普及が、まだこれからということです。

 

今回のまとめ

今回は、BIMの普及と今後の設備積算について、私なりの現状把握と予測をご紹介しました。BIMにより、積算業務は確実に変わっていきます。しかし、積算がBIMに取り込まれ、部材数量の拾い出し自体が無くなっていくことは無いでしょう。

今後、BIMと積算ソフトのそれぞれが、より進化し、より連携しやすくなり、精度と効率共に向上していくと考えています。しかし、それに合わせて企業も人も進化しなければなりません。当社も取り残されないよう、この流れにしっかり乗っていきたいと思います。

(参考)「BIM+積算」の設備積算ソフト

(プラネスト プラスビム):株式会社コスモ・ソフト

著者情報 AUTHOR


 
大学中退、就職した施工管理会社の倒産、仲間との起業、そして過重労働からの脱出など、あらゆる難局を越えてついにたどり着いた自分たちの理想の会社。経営者として分からない事ばかりだが、日々試行錯誤し、より良い会社にすべく奮闘中。
電気施工管理8年・設備設計事務所9年を経て、現在に至る。

 取得資格

- 第一種電気工事士    H12年1月取得
- 第三種電気主任技術者  H11年12月取得    

- 建築設備士       H22年6月取得
-エネルギー管理士     H23年11月取得    

- 2級管工事施工管理技士   H13年2月取得    

Contact

建築設備の設計や積算のご相談、
採用のご相談など、何でもお気軽にお問い合わせください。