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コラム
2026.04.27
体脂肪率測定やスマートウォッチの原理~電気抵抗について~

デジタルの体重計に乗ると、体重が表示されるだけでなく体脂肪率まで測定される機器を見かけますが、「なぜ体重計に乗っているだけで体内の脂肪率が分かるのだろう」と疑問に思ったことはありませんか?
私たちの身近にあるスマートウォッチや体脂肪率測定器は、一見すると「ただの便利なデジタル機器」に見えます。しかしその裏側では、「電気抵抗」という物理現象を巧みに利用して、体の状態や活動量を数値化しています。
本記事では、電気抵抗の基礎から、具体的な機器の仕組みまでをわかりやすく解説します。
電気抵抗とは
電気抵抗とは、「電気の流れにくさ」を表す性質です。電流が流れるとき、すべての物質は少なからずその流れを妨げます。この妨げの大きさが抵抗であり、単位はオーム(Ω)で表されます。
例えば、銅のような金属は電気をよく通すため抵抗が小さく(=導体)、ゴムやプラスチックは電気をほとんど通さないため抵抗が大きい(=絶縁体)という特徴があります。
私たちの周りに存在する空気も電気を非常に通さない、いわゆる絶縁体として存在しています。
(もし、空気が電気を通しやすかったら・・・そこら中で漏電することに。)
ちなみに、非常に電気を通しにくい空気を絶縁破壊によって導体とするのが雷で、下記の記事で記述しています。
参考記事:静電気と雷~電圧が生み出す力~
また、電気抵抗は単純な物質の違いだけでなく、長さや断面積、温度などにも影響を受けます。つまり、抵抗を測ることで、見えない内部の状態をある程度推測できるというわけです。

体脂肪率測定器の動作の仕組み

体脂肪率測定器は、「生体電気インピーダンス法(BIA法)」という仕組みを使っています。これは非常にシンプルで、体に微弱な電流を流し、その流れやすさ(=抵抗)を測定する方法です。
人間からだについて、筋肉は水分を多く含むため電気を通しやすく、脂肪は水分が少ないため電気を通しにくいという特徴があります。この差を利用して、体全体の抵抗値から脂肪と筋肉の割合を推定するのです。
測定の流れは以下のようになります。
足裏や手から微弱電流を流す
体内を通過する際の抵抗値を測定
年齢・性別・身長などのデータと組み合わせて計算
ここで重要なのは、「直接脂肪を測っているわけではない」という点です。あくまで電気抵抗という間接的な情報から推定しているため、水分状態(脱水や食後など)によって結果が変わることもあります。
しかし、継続的に測定することで体の変化を把握するには十分な精度を持っており、家庭用としては非常に実用的な技術です。
スマートウォッチの動作の仕組み

スマートウォッチは単なる時計ではなく、心拍数や血中酸素濃度、活動量などを測定するセンサーの集合体です。その中でも電気的な特性を利用している代表的なものが「生体インピーダンス測定」や「光学センサー」です。
特に近年の高機能モデルでは、手首に微弱な電流を流し、その戻り方(抵抗やインピーダンス)を測定することで体組成やストレス状態を推定する機能も搭載されています。
ただし、スマートウォッチで主に使われているのは、LEDの光を利用した「光電式心拍計」です。これは血液の流れによって光の吸収量が変わることを利用したものですが、より高度な分析では電気的な抵抗も組み合わせて使われます。
例えば、汗をかいていると皮膚の電気抵抗は下がります。これを検知することで、運動強度やストレス状態の推定に役立てることが可能です。つまりスマートウォッチは、「光」と「電気抵抗」の両方を活用して、体の状態を多角的に見ているのです。
電気の抵抗を使ったその他の仕組み
電気抵抗は、私たちの生活の中で非常に幅広く利用されています。いくつか代表的な例を紹介します。
温度センサー(サーミスタ)
温度によって抵抗値が変化する材料を利用し、温度を測定する仕組みです。エアコンや冷蔵庫などに広く使われています。
タッチパネル
スマートフォンの画面は、指が触れた位置の電気的変化(抵抗や静電容量)を検知して操作を認識しています。
漏電検知
電気設備においては、異常な電流の流れや抵抗の変化を監視することで、漏電や事故を防ぐ仕組みが使われています。
呼吸・発汗センサー
医療やウェアラブル分野では、皮膚の抵抗変化を利用して呼吸状態やストレスレベルを測定する技術もあります。
このように、電気抵抗は単なる物理現象ではなく、「見えない情報を可視化するセンサー」として活用されているのです。
まとめ
スマートウォッチや体脂肪率測定器は、電気抵抗というシンプルな原理を応用することで、私たちの健康状態を手軽に数値化しています。筋肉と脂肪の違いや、水分量の変化といった体の特性が、電気の流れやすさとして現れる点がこの技術の本質です。
一見すると難しそうな技術ですが、基本は「電気がどれだけ流れやすいか」を見ているだけとも言えます。そのシンプルさゆえに、家庭用機器としても広く普及しているのです。
今後はさらに精度が向上し、より詳細な健康管理が可能になるでしょう。身近な機器の中にある「電気抵抗」という考え方を知ることで、日常の見え方も少し変わるかもしれません。
著者情報 AUTHOR
大学を中退し19歳から社会人に。IT商材、不動産営業の経験を経て電気設備業界へ。元々電気設備業界である父親の縁があり、プランテクノに入社。積算業務の経験を積み、積算1課長に。現在は横浜市に拠点を置き、新規客先への営業も担当。
好きなことは「効率化」、好きな電設資材は「小さなプルボックス」。
取得資格
- 第一種電気工事士 R4年12月取得
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