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2026.04.15

建築物における有害物質~安全な建築・労働環境を目指す~

建築物は私たちの生活や業務を支える重要な空間ですが、その内部や構成材料には人体へ影響を及ぼす可能性のある有害物質が含まれている場合があります。
特に改修工事や解体工事の現場では、過去に使用された建材由来の有害物質が顕在化し、作業員や利用者の健康リスクとなることがあります。

本記事では、建築物に潜む代表的な有害物質とその影響、さらに現行の対策について整理し、安全な建築・労働環境の実現に向けたポイントを解説します。

建築物に潜む有害物質

建築物に存在する有害物質は多岐にわたりますが、特に問題となる代表例として以下が挙げられます。

アスベスト(石綿)
ホルムアルデヒド
PCB(ポリ塩化ビフェニル)
鉛・重金属類

これらはいずれも過去の建築資材や設備に広く使用されてきた経緯があり、現在でも既存建物に多く残存しています。次章以降で、それぞれの特徴やリスクについて詳しく見ていきます。

アスベスト(石綿)

アスベストは耐熱性・断熱性・防音性に優れた素材として、吹付材や保温材、スレート板などに広く使用されてきました。しかし、微細な繊維を吸入することで肺に蓄積し、長期的には中皮腫や肺がんなどの重大な健康被害を引き起こすことが知られています。

特に問題となるのは、解体や改修時に飛散するケースです。普段は固着していても、破砕や切断によって繊維が空気中に拡散し、作業員だけでなく周辺環境にも影響を及ぼします
そのため現在では使用が原則禁止されており、既存建物では事前調査と適切な除去作業が義務付けられています。

ホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドは接着剤や塗料、防腐剤などに含まれる揮発性有機化合物(VOC)の一種です。内装材(合板・壁紙・家具など)から放散されることで室内空気を汚染し、「シックハウス症候群」の原因物質として問題視されています。

症状としては、目や喉の刺激、頭痛、めまいなどがあり、特に新築やリフォーム直後の建物で発生しやすい傾向があります。
現在ではF☆☆☆☆(フォースター)などの規制により使用量が制限されていますが、換気不足や材料選定によっては依然として注意が必要です。

PCB・鉛などの有害物質

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は絶縁性能や耐熱性に優れることから、変圧器やコンデンサなど電気設備に使用されてきました。しかし、強い毒性と環境残留性が問題となり、現在では製造・使用が禁止されています。
既存設備に残るPCB含有機器は、厳格な管理と期限内処分が求められています。

また、鉛を含む塗料や配管材料も過去には一般的でした。鉛は体内に蓄積しやすく、神経系への影響が懸念される物質です。特に塗膜の剥離作業時などに粉じんとして吸入するリスクがあるため、適切な養生と防護が必要です。

現在の有害物質の対策

現在の建築・設備業界では、有害物質に対する規制と対策が大きく進んでいます。主なポイントは以下の通りです。

① 事前調査の徹底

解体・改修工事前にはアスベスト含有の有無調査が義務化されており、設計図書や現地分析によって確認が行われます。

② 飛散防止措置

アスベスト除去時には負圧養生や湿潤化処理を行い、粉じんの飛散を防止します。作業区域の隔離も重要な対策です。

③ 個人防護具(PPE)の使用

防じんマスク(防護等級の高いもの)、保護衣、手袋などの着用が義務付けられています。特に電気設備の更新工事でも、既設機器にPCBが含まれる場合は注意が必要です。

④ 適正処理と管理

PCB廃棄物は特別管理産業廃棄物として厳格に管理され、指定処理施設での処分が必要です。違反には重い罰則があります。

⑤ 室内環境対策

ホルムアルデヒド対策として、低放散材料の採用や計画換気(24時間換気システム)が標準化されています。

⑥ 作業員教育と管理体制

作業員への特別教育や作業主任者の配置が義務付けられており、現場単位での安全管理体制の構築が求められています。

まとめ

建築物における有害物質は、過去の建材や設備に起因するものが多く、特に改修・解体工事においてリスクが顕在化します。アスベストやPCB、ホルムアルデヒドなどは健康被害の影響が大きいため、適切な知識と対策が不可欠です。

近年は法規制の強化と技術の進歩により、安全対策は確実に向上していますが、最も重要なのは「知らないまま作業しないこと」です。事前調査・適切な施工・労働環境の確保を徹底することで、作業員の安全と建築物利用者の安心を両立することができます。今後も安全な建築環境を実現するために、現場一人ひとりの意識向上が求められます。

 

 

著者情報 AUTHOR


 
大学を中退し19歳から社会人に。IT商材、不動産営業の経験を経て電気設備業界へ。元々電気設備業界である父親の縁があり、プランテクノに入社。積算業務の経験を積み、積算1課長に。現在は横浜市に拠点を置き、新規客先への営業も担当。
好きなことは「効率化」、好きな電設資材は「小さなプルボックス」。

 

 

 

 

 

 

 取得資格

- 第一種電気工事士    R4年12月取得

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