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2026.02.04
電気設備工事における設備項目【テレビ共聴設備編】
皆さんのご家庭でも当たり前のように使われているのがテレビ共聴設備です。戸建住宅から集合住宅、オフィスビル、商業施設まで、ほぼすべての建物でテレビ視聴環境が求められます。しかし実際の設計・積算・施工の現場では、「映ればいい」という単純な設備ではなく、電波状況や配線方式、将来対応まで考慮すべきポイントが多く存在します。今回は電気設備工事におけるテレビ共聴設備について、基本から設計・積算・施工トラブルまで整理して解説します。
テレビ共聴設備とは
テレビ共聴設備とは、建物内の複数のテレビ端子へ安定した映像信号を供給するための設備一式を指します。主に以下の2方式があります。
アンテナ方式
屋上や外壁に設置したアンテナで電波を受信し、ブースター(増幅器)で信号を補強したうえで、分配器を通して各住戸・各室へ配信します。比較的シンプルな構成ですが、受信レベルは立地条件や周囲環境に大きく左右されます。契約をせず初期費用のみで視聴できるのが特徴です。
ケーブルテレビ方式
ケーブルテレビ会社の回線を建物に引き込み、配信する方式です。地デジに加えてBS/CS、多チャンネルサービス、インターネット回線とセットになるケースも多く、集合住宅や商業施設で採用されることが増えています。月額費用がかかりますが通信が安定しています。
どちらの方式でも、「安定した受信レベルを各端子で確保する」ことが最大の目的です。
設計のポイント
テレビ共聴設備の設計で重要なのは、単なる配線図作成ではありません。以下の点を意識する必要があります。
まず受信方式の選定。立地条件により地デジが安定しない場合は、最初からCATV前提で計画する方が合理的なケースもあります。
次にレベル計算。アンテナ入力から最終端子までの距離、分配数、ケーブル損失を考慮し、各テレビ端子で規定レベル(一般的に44〜74dBμV程度)に収まるよう、ブースター容量や分配構成を決定します。
また将来対応も重要です。4K・8K放送への対応、空配管の確保、予備配線の検討など、後工事を減らす設計が求められます。
積算のポイント
積算では、材料費だけでなく作業員が動く「手間」を見落とさないことが大切です。
主な項目は以下の通りです。
・アンテナ、ブースター、分配器などの機器類
・同軸ケーブル、LANケーブル、コンバーター、テレビ端子、
・配管・配線工事
・調整、測定作業
特に注意したいのが調整作業費です。テレビ共聴設備は施工後にレベル測定と微調整が必須であり、これを見込まずに積算すると赤字工事になりがちです。
また、CATV方式の場合は引込工事費や事業者との調整費用も忘れずに計上する必要があります。
テレビ共聴設備の施工トラブル
現場でよく起こるトラブルには次のようなものがあります。
① 映りが悪い・チャンネルが抜ける
原因の多くはレベル不足、分配ミス、コネクタ施工不良です。特に同軸の圧着不良は初期不良の代表例です。
② 他設備との干渉
強電ケーブルと近接配線してしまい、ノイズが乗るケースもあります。ルート計画段階での配慮が重要です。
③ 設計と現場の不整合
分配位置が変更された結果、想定より配線距離が伸び、末端レベルが足りなくなることもあります。
これらを防ぐには、施工前の配線ルート確認、施工後の必ずのレベル測定、記録の残存が欠かせません。
まとめ
テレビ共聴設備は今まで紹介した、電灯設備や自動火災報知設備と比べると「裏方」の存在ですが、入居者や利用者の満足度に直結する重要な電気設備です。設計では受信方式とレベル計算、積算では調整作業まで含めた現実的な工数把握、施工では丁寧な端末処理と測定確認が品質を左右します。
特に近年は4K・8K対応や通信設備との一体化が進み、テレビ共聴設備もますます高度化しています。単なる配線工事として扱うのではなく、“情報インフラの一部”として捉えることが、これからの電気設備工事には求められるでしょう。
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著者情報 AUTHOR

大学を中退し19歳から社会人に。IT商材、不動産営業の経験を経て電気設備業界へ。元々電気設備業界である父親の縁があり、プランテクノに入社。積算業務の経験を積み、積算1課長に。現在は横浜市に拠点を置き、新規客先への営業も担当。
好きなことは「効率化」、好きな電設資材は「小さなプルボックス」。
取得資格
- 第一種電気工事士 R4年12月取得
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